〜6月の草間台地〜

方谷から井倉野までは登りがつづく。その後も緩やかに登降して山間の村「岩中」を通り
井倉洞上部へ。何度も通った道だが季節が変わると風景も違って見える。
21キロ前後を自然を楽しんで歩く。



谷をはさんだ向こうの山肌にマタタビの白い葉が花のように見える。
花は葉の下につくのだがそれが咲くころになると枝先の葉も白くなるのだとどこかで読んだ憶えがある。
今はまだ蕾だ。


ウツギに来たヒオドシチョウ
蜜を吸っている。一瞬開いたときは明るい朱に黒の紋がある。


いろんなキイチゴ類と出会う。

ニガイチゴ ナガバモミジイチゴ クマイチゴ
ナワシロイチゴ クサイチゴ エビガライチゴ

登り切ったところ井倉野は桃の栽培農家の集落、春には一帯が薄紅に染まり別天地の感がある。
まだ袋がけ前の桃なのだろう。




カキ ヤブムラサキ イボタノキ



ナツハゼ (実↑クリック)
実は6〜7ミリの球形で黒褐色
食べられるそうだが食べたことはない。それより花瓶にいけると風情がある。


ヒロハツリバナ


ネジキ
つぼ型の白が横に並んで可愛い感じがする。



花から実へ
まだ青い実がやがては秋の山野を彩る。
ハナイカダ サンキライ ウリカエデ
ヤシャブシ コバノガマズミ キブシ

和紙原料の木もたくさんある。


ガンピ


コウゾ

スイカズラが爽やかな匂いを振りまく乾燥気味の道にはニガナ以外の野草は見られないのかと思ったが
珍しい花との出会いがあった。


ムラサキ

額田王が「あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」とうたい
大海人皇子が「紫草のにほえる妹を憎くあらば人妻ゆえにわれ恋ひめやも」と返した
贈答歌をふくめ万葉集には16種の歌が残されているそうだ。
ムラサキは上代の紫染め染料として尊ばれ、江戸時代には江戸紫として流行、武蔵野のムラサキが
脚光を浴びたというが今は野生のものが少なくなっているという。

花は白いがその根が紫をおびているのでその名となっている。



ウメガサソウ

高さ10センチにも満たないイチヤクソウ科の花で個体数が少ないとのこと。
偶然目にとまりなんだろうと近づくと下向きに白い小花をつけていた。



乾いた道を延々と緩やかにくだりやっと岩中につく。



ここではタバコの栽培が盛んだが作付けが以前よりは減っているように見えた。
可愛いピンクの花(↑マウス)が咲くが今農家の人たちは
その花を摘み取っている。いい葉を得るためだろう。

ヒカゲノカズラ シダ ママコナ







ウバユリ
つやのある葉を広げ、茎頂に蕾が見える。。咲くのは真夏の頃だろうか。
そのころには葉は枯れてしまっていて、葉(歯)がないと言うところから名がついたそうだが本当だろうか。
いい雰囲気なのに名が気の毒といった花がよくあるがこれもその一つだ。



草間台から高梁川を見下ろす。




井倉


さとやま