〜2010年・桜満開〜

4月8日



4月の高梁川沿いを走ると灰褐色だった左右の山々に薄紅、赤茶、若緑が刻々と加わりながら変化していく。下流から上流へ、日を追ってヤマザクラの前線が北上し、河川敷の菜の花やタンポポの黄色、春の陽を受けてきらきら輝く川面が加われば春うららの絶景となる。
途中で、右岸にわたり、車を置いて坂を登れば、ヤマザクラと道に沿って植えられたソメイヨシノが競い合うように咲いている。峠には集落があるのだがこの坂道も歩いていて見つけた穴場という気がする。
桜のころには近隣の人たちの花見の場となるらしく、ちょうちんなども掛けられるのだが、幸いなことに今年はそれがなかった。花見の宴の楽しさとは無縁の私は、変わり者かもしれないけれどあのちょうちんが興ざめだわと感じるほうなのである。そして、花の下に広げられたブルーシートも…。せめて、花ござならこの美しい桜の邪魔にはならないものをと。この日は人の出も少なくゆったりと桜を愛でながら花の下を歩いた。




















日の当たり方で花も山の色合いも変化するのが面白い。感動の余韻に浸りながら山を下りた。







さとやまへ