鯉が窪湿原


2010年5月5日

吉備高原の北辺の一部、標高550メートルに太古からの姿をとどめた湿地がある。ここではまだ早春の花リュウキンカが咲いているかもしれないと期待して行ってみた。想像以上のリュウキンカが湿原を黄色に染めていた。こんな大群落を見るのは初めてだったので感動した。









リュウキンカは7月頃にはノハナショウブやハンカイソウが咲き、秋にはビッチュウフウロが美しく咲くケハンノキの林下に広がっている。こんなにあるとは想像していなかったので多種の花を内包するこの湿原の奥行きに驚いた。泥の中に白くて丈夫な根を下ろし、地上茎下部の葉は丸くて長い柄を持っている。黄色いのはガク片だそうで花弁はない。茎が立つところから「立金花」と名付けられた。

湿地の中に黄橙の珍しいものを見つけた。カムリタケというらしく、説明板には赤松の落葉に生えるキノコと書かれていた。そういえば池の周辺にはアカマツが多い。






鯉が窪池の周りではようやく芽吹きだした緑とミツバツツジが淡い早春の雰囲気をかもしだしている。










夏にはハッチョウトンボが飛び交う管理棟前ではミツバツチグリ、カキドオシ、スミレが咲いている。




林のなかにカケスをみかけた。この辺りでは珍しくない鳥のようだ。なかなか鋭い眼をしている。






5月30日

管理棟で200円の寄付をして入園する。この寄付がこの貴重な湿原の存続の役に立っているのだ。窓口で今咲いている花はと聞くと「サワオグルマくらいですが季節がいいですから気持ちいいですよ〜」という返事だった。奥に進むと、月初めにはリュウキンカで黄色の絨毯のようだった湿原では強くなった日差しに緑がまばゆく、きらきら輝いていた。次の花の季節への前奏曲が始まっている。





サワオグルマ



ハンカイソウの葉






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さとやま